5月26日ついに京都市美術館がリニューアルオープンしました!現在は京都府民限定の予約制。
行ってまいりました。
6月19日からは京都府民外の予約制がスタートします。
当初は3月21日に開館予定でした。
ご縁を賜わり昨年秋の竣工、3月の内覧会を鑑賞させていただきオープンを心待ちにしておりました。
新型コロナウイルスの影響で開館は延期され緊急事態宣言の自粛と安全対策を優先に4月4日、4月11日、5月6日、5月31日を目途にリニューアルオープンをするとの順延発表が続いておりました。
3年前からスタートした京都市美術館のリニューアル工事の全貌がみえない頃、青木淳さんの設計というからには全部潰して近代的な新しい建物が建つのかとも考えてました。
青木さんの設計で有名なルイ・ヴィトン的な建物になったらどうしよう?と少しの不安と期待をこめて楽しみにしておりました。
竣工式の少しまえに関係者にお披露目されたリニューアル。重厚感ある建物を大切に、半地下のガラスのアプローチから大広間に続く入り口の設計は実に大きな意味があり本来基本4つの展覧会場以外はチケット無しで自由に入れて裏の動物園側に抜けられるという素晴らしい仕組みになっております。
館長はリニューアル案の設計者でもある建築家の青木淳さんです。
ネーミングライツで京セラが60年間50億円で館名の命名権を得たことで2017年から着工されたリニューアル工事は2019年より京都市京セラ美術館となりました。日本画や洋画、工芸作品などを中心に所蔵コレクションを年数回テーマを変えて展示換えする常設展のほか、現代美術に特化した東山キューブも新設されました。
そしてオープンして足を運ばれた方のSNSで気になる投稿がチラホラ見うけられました。
皆さまの戸惑いと共に現れている表現の「京セラ美術館」という言葉についても触れておきます。
ここは京セラ美術館ではありません。
ネーミングライツの命名権を得られた京セラさんの冠ついておりますがリニューアルされた旧京都市美術館。
伏見区竹田の京セラの本社の旧京セラ美術館とたまに勘違いされる方があります。(竹田の方は京セラギャラリーに名称変更されております。)
そこは実にややこしいのですが正式名称【京都市京セラ美術館】の名称に慣れるしかないと思います。
そして声といえば京都で現代美術は根付かないという声が工芸に携わる方のSNSで一部出ておりました。
僕はそうは思いません。
むしろアートを持って世界に打って出るには現代美術という枠組み以外はないでしょう。
但し京都はなんでもアートの様な中途半端な世界は成立しない様に思います。
アーティストの独断を許さない土地柄の制約も、逆手にとれる者がまた天下に名を馳せる。
そんな先端の芸術の都が復活してほしいと思います。
権威だ、伝統だと足の引っ張りあいしてる場合ちゃいますし文化の囲い込みをして続く世界ではなくなった今のコロナ禍の文化、芸術の街です。
息絶え絶えの芸術家や文化人。
育てる数寄屋者、パトロン的な財界人は積極的に人物を発掘してほしいし京都を舞台に、あるいは足場に突出したアーティストが誕生してほしい。
そんなことを強く思います。
伝統も始めから存在するわけではなく例えば16世紀に茶の湯の大成者の千利休が樂家の創始者に創らせた樂焼は華麗な桃山時代の中で侘び寂びの思想に命をかけた利休と初代長次郎の編み出した当時における現代美術。
天下人の関白秀吉公と対立しながら編み出した異端の器が伝統と呼ばれるまでになったのは歴代樂焼の代々が時代に合わせ綿々と繋いだことで現在があると思います。
現代アートとは鑑賞する者と作品を通した作者との対話。
そこが成立するかどうか。受け身にならないことが大切です。
自らの感想を持つことでそのアートを理解し自分と向き合うことがベースであるなら私たち京都というローカル枠の感性がシャッフルされ新しい世界が開かれるのは間違いないと思います。
所蔵品の古典から新鋭、最新までの鑑賞を自分たちで選べます。
受け身にならず作品を鑑賞しその感想を持つことでそのアートを理解し自分と向き合うためにはジャンルを超えて果敢に学ぶ姿勢が大切だと思います。
越境こそアート。その一言が言いたかったオフのひと時に京都市京セラ美術館の感想を綴ってみました。
現在開催中の展覧会については触れませんがたくさんの方に訪れて欲しいと思っております。
着物がめっちゃ合いますので是非‼️